多文化・国際協力学科学科発信メディア

講演会

シンポジウム「水俣の『今』から学ぶ」報告

2020.01.30

 多文化・国際協力学科では「フィールドから学ぶ」ことをテーマにしたシンポジウムや講演会を、順次企画したいと考えています。今回は学科設立記念シンポジウムとして、「水俣の『今』から学ぶ」を開催しました。

講演者の方々(左上から 遠藤邦夫さん、奥羽香織さん、澤井健太郎さん、 左下から 永野いつ香さん、吉永理巳子さん)

 水俣病の公式認定から64年、水俣がたどった歳月や、水俣の現在から、学ぶことはたくさんあります。水俣病患者や患者遺族に関わり続ける方、水俣で生きる方など、水俣在住の5名をお招きし水俣の「今」をお話しいただきました。文字通り、水俣でおこったことは、まだ終わっていない。故 杉本栄子さんの「食べるもので病気になったのなら、食べるもので治す」という言葉について、深く考えさせられます。水俣で起こったことを振り返り、今を見つめ、未来につなげる、そのために、今、を知ることの大切さを痛感しました。フィールドから学ぶ、ということについて、学生の皆さんにも印象が残ったと思いますし、教員も考えさせられました。
 多文化・国際協力学科一年生の必修授業である「多文化・国際協力の学び」の枠を使い、一般の方にも公開したシンポジウムとしました。100名を超える参加があり、たいへん盛況でした。今後も、学生のフィールドワークのきっかけや、自らのテーマ選びのきっかけになりうるような機会を提供するとともに、多文化・国際協力学科の学びを学内外に紹介していきたいと考えます。(三砂ちづる)

【参加学生の感想】
 今回お話してくださった方々は、水俣病をどのように感じているかが、それぞれ少しずつ異なっていて、一つの水俣病ということに関しても、さまざまなアプローチができ、また発見できることが異なるということがわかった。
 水俣病は水俣という地で発生した病気だとはわかっていたが、リアリティをもって水俣市が存在し、そこに暮らす人がいるのだと今日初めて感じた。その地に暮らす人の数だけ視点があるのだと、水俣に対する取り組みもさまざまなのだとはっきり学ぶことができた。
 皆さんのお話中で頻繁にあがった「水俣出身と言えない」「水俣病についての会話はタブーな雰囲気がある」という言葉が印象に残った。過去の病気ではないということを思い知らされた。患っていない人にとっても、無関係な問題では全くないのである。
 水俣病を事実として知るだけでなく、「水俣出身と胸を張って言える街にしたい」という強い志に心動かされた。水俣病の経験のない他地域出身の私にも語るチャンスがあるのだと思った。

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