多文化・国際協力学科学科発信メディア

在校生インタビュー

井関理彩(国際協力コース4年)

2024.03.19

卒業論文テーマ…紛争責任国の現実と今後の在り方—スルプスカ共和国の事例を通じてー

国際協力コース4年の井関さんに卒業論文やフィールドワークの体験、
それらを通し学んだことや、後輩、高校生に伝えたいことをお伺いしました。

Q1 研究の内容とそのテーマにたどり着いた背景は何ですか?

 90年代に起きたボスニア紛争と民族主義に関して研究しました。特に、紛争責任国として国際社会に認識されているスルプスカ共和国の視点を分析し、包括的な紛争の要因を再考しました。
 入学当初から紛争解決学に興味があり、アフリカを中心にいくつかの地域の調査を進めながら、テーマを模索していました。しかし、2022年に所属していた体育会系ラフティング部の世界大会が「ボスニア・ヘルツェゴビナ」で開催されました。そこで、世界平和大使ボスニア代表を始めとする多くの友人を作ることができたこと、そしてボスニアの歴史が大変興味深かったこともあり、フィールドをボスニア・ヘルツェゴビナの一部のスルプスカ共和国に決定しました。その1年後、再びフィールドワークのためにスルプスカ共和国に足を運び、1週間ほどホームステイのような形で調査・研究をしました。

Q2 フィールドワークを実施し卒業論文を執筆した中で、最も学んだことは何ですか?

 ある視点からは「絶対悪」と見なされている人々の背景を客観的に考え、1人でも多くの人が多様な視点を持とうという知的好奇心を持つことの大切さを学びました。そして、復讐という形以外で、平和な世界を構築するための努力を、一人一人が一生続けることの重要性に気付かされました。

Q3 就職活動を終えて、さらに卒論も書き終えた今、後輩に伝えたいことはありますか?

 私は、就職先と卒論研究内容は全く異なりますが、どちらも「自分が数年かけて追及したい」ということでした。その過程で、大学生という立場を活かして、沢山の人とお話しする機会をいただき、多くのことを学ぶことができました。後輩の皆さんにも、大学生活をより良いものにするために、「自分自身と向き合い、自分の心が動く方向に行動してみること」を強くお勧めします。

Q4 多文化・国際協力学科で学んでよかったと思うこと、学科のアピールポイントは何ですか?

1つのテーマに対して、机上の空論だけで留まらず、フィールドワークで最後まで追求できたことです。多くの時間をかけて事前調査し、計画し、足を運び、現地の一人一人と向き合ってインタビューすることは容易ではありません。しかし、先生やゼミ生と一緒に丁寧に考え、書き上げることで多くの深い学びがあったと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

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