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中根千枝賞受賞者

小野寺晴(国際ウェルネスコース)

2025.03.17

2024年度 中根千枝賞受賞者

小野寺晴(国際ウェルネスコース)

多文化・国際協力学科では、優れたフィールドワーク報告卒業論文を完成させた学生に、中根千枝賞*を授与しています。
2024年度は以下の3名が表彰されました。

小野寺 晴
「ろう者と聴者が築く新たな共生の形—居酒屋が生み出す合理的配慮を超えた空間」

谷川 真由
「ガーナにおける洋服の流通と伝統的衣装文化の共存—アフリカ布の使用に着目した衣服選択を通して—」
諸星 美和
「在日クルド人第二世代の女子の進学と将来像—埼玉県川口市の日本語教室でのフィールドワークから—」

小野寺晴さんの受賞のことば

 この度の受賞に際し、フィールドワークにご協力いただいた「串揚げ居酒屋ふさお」さんとお客さん、そして最後までご指導くださった松山先生と濱松さん、さらに松山ゼミと濱松ゼミの皆さんに心より感謝申し上げます。コロナ禍での大学入学は、私にとって不安の連続でした。入学当初は「カンボジアの教育開発」や「医療AI」といった全く異なるテーマに興味を持っていましたが、海外に出向くことへのハードルが高まる中で、不安が益々募っていきました。しかし、コロナ過が明けた2年生の頃から、ろう者との出会いが重なり、徐々にろうの世界に関心がうつっていったのです。手話を独学で学び始めた頃に偶然に立ち寄った「ふさお」の雰囲気に惹かれ通い始め、ふさおさん夫妻や店のお客さんと親しくなり、この店に集う方々の創り出す独特な共生の世界を自分なりに探究してみたいと強く思い、この場所でフィールドワークをすることを決めました。温かく受け入れてくださった皆様にたくさん話を聞かせていただき、最終的には手話でデータが取れるまでになりました。初めて足を踏み入れた障がい・福祉分野だったため、専門家である国際関係学科の濱松若葉助教にご助言をいただきながら研究を進めていきました。手話の細かいニュアンスをどのように言語化すれば読者の方々に伝わる論文になるのかを最後まで追求し卒業論文を書き上げました。この学科では、机上の学びだけでなく、現場に出向いて新しい視点を主体的に学ぶことができます。この経験は、4年間で大きく私を成長させてくれたと思っています。入学前は自分に対してどこか自信も持てずにいたのですが、松山先生から、「人と繋がっていくその行動力が素晴らしい」とのお言葉をいただけたことは大きな喜びです。この在学中に培った行動力は、今後社会に出ていく際の大きな糧になると信じています。

* 中根千枝賞:本学出身の社会人類学者であり、日本における女性フィールドワーカーのパイオニアであった中根千枝氏を記念した賞。

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