多文化・国際協力学科学科発信メディア

在校生インタビュー

觸澤清香(多文化共生コース4年)

2024.03.20

卒業論文テーマ…ジェンダーと「お笑い」-女性芸人によるエンパワーメントとこれから-

多文化共生コース4年の觸澤さんに卒業論文やフィールドワークの体験、
それらを通し学んだことや、後輩、高校生に伝えたいことをお伺いしました。

Q1 研究の内容とそのテーマにたどり着いた背景は何ですか?

 男性中心の歴史が長いお笑い芸人の世界で、女性芸人のマイノリティー性を可視化させ、女性芸人の中で生じているフェミニズムの動きが今後どのように変容していくのかを明らかにするため、関係者へインタビュー調査を行ったり、お笑いライブに何度も足を運び、様子を観察しました。また、私は実際にアマチュアのお笑い芸人として活動していたのですが、自身が芸人側として体験したした事柄を参与観察の対象にするオートエスノグラフィーという手法を取り入れたりもしました。
 このテーマに至った背景には、個人的な経験が大きく関係しています。芸人として活動していく中で、女性芸人に対する風当たりの強さ、表現に大きな制限があることを実感しました。最初は自分の個人的な問題だと考えていましたが、文献を読んでいくうちに自分が感じていた違和感は社会全体の問題と地続きなのだと気付き、いつのまにか卒業論文の題材にするほど自分の中で大きなテーマになっていました。

Q2 フィールドワークを実施し卒業論文を執筆した中で、最も学んだことは何ですか?

 「一つの考え方」の中にも色んな種類があるということは自分の中で大きな発見でした。例えば、世間では「フェミニズム」と言われている考え方でも、「地方出身で引っ込み思案でインドアなAさん」が掲げるフェミニズムと、「東京育ちで明るくてアウトドアなBさん」が掲げるフェミニズムは微妙に異なるものかもしれません。歩んできた人生の数だけ人の考えがあり、安易に一つの考え方に括らない必要性をインタビュー調査を通じて学ぶことができました。

Q3 就職活動を終えて、さらに卒論も書き終えた今、後輩に伝えたいことはありますか?

 自分が好きなことを好きなだけ経験して欲しいです。私はお笑い活動を気が済むまでやり遂げたことが、自分の中で揺るがない自信になったし、実際に就職活動や卒業論文を執筆する際にも私を助けてくれました。「何かを全力でやりきった」という経験はどんな時も自分を支えてくれるので、ぜひ自分の「好き」と全力で向き合ってみてください。

Q4 多文化・国際協力学科で学んでよかったと思うこと、学科のアピールポイントは何ですか?

 「自分の目で確かめる」姿勢を学べたのはフィールドワーク調査が必須である多文化・国際協力学科だったからだと思います。実際に現場へ足を運び、時には当事者と同じ目線で調査を進めることによって、社会の様々な問題を自分事として考える癖がつきました。行動せずとも簡単に情報を手に入れられる時代だからこそ、体を張って情報を集めた経験は自分にとって非常に価値のあるものだったと感じています。
 アピールポイントはゼミの時間が楽しいことです。フィールドワークの経験が豊富な教授の話や他の学生の調査報告は興味深く、知見が広がります。

※掲載内容は取材当時のものです。

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