【学外公開】グローバルヘルスと女性の健康 ー妊産婦死亡を超えて

講師： 藤田 則子 氏　
　（長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授）
日時： 2025年1月7日（火） 13：00－14：30
場所： 津田塾大学小平キャンパス 本館3階　H301教室

概要：
グローバルヘルスの中心テーマの一つは長らく「母子保健」であるが、「母」ではなく「女性」の健康の課題に焦点が当たるようになったのは実は「子」より後のことである。2000年の国連ミレニアム開発目標（MDGs）で初めて女性の健康課題が取り上げられ、妊産婦死亡の削減（妊娠や出産が原因で死亡する女性を減らすこと）が、国際社会が協力して取り組むべき目標の一つとなった。
　妊産婦死亡は、医学的な原因だけではなく女性の置かれた社会的要因が大きな影響を与えており、「3つの遅れ」として提唱されている。2015年までのMDGsの時代における妊産婦死亡の削減に向けた国際的な流れと開発途上の国々での取り組みを事例として取り上げ、2015年からの持続的な開発目標（SDGs）でのライフコースにおける女性の健康課題への変遷を考えてみたい。