多文化・国際協力学科学科発信メディア

中根千枝賞受賞者

齊藤 明香里(国際ウェルネスコース)

2024.04.03

2023年度 中根千枝賞受賞者

齊藤 明香里(国際ウェルネスコース)

多文化・国際協力学科では、優れたフィールドワーク報告卒業論文を完成させた学生に、中根千枝賞*を授与しています。
2023年度は以下の3名が表彰されました。

 齊藤 明香里
「海外ルーツの子どもに対する支援の先に見える多文化共生社会の可能性 -家庭・学校・地域の役割に着目して」

鷲田 舞綺
「「生活者」の視点から描く竹富島における観光の位置付けと選択的利用」
五十嵐 穂乃花
「ユダヤ系家庭におけるホロコーストの記憶の継承 —第 2・第 3 世代の選択に着目して—」

齊藤 明香里さんの受賞のことば

 この度は、中根千枝賞を授与いただき誠にありがとうございます。このような賞を頂戴し、大変光栄に思うと同時に身の引き締まる思いです。フィールドワークにご協力くださった小学校およびNPO団体の皆さま、悩んだ時に相談にのってくれたゼミ生のみなさん、日々丁寧なご指導をいただいた松山先生に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
テーマ設定までに多くの時間を要しましたが、思いがけないきっかけから、実際に公立小学校の現場に入り研究を行うという貴重な経験をすることができました。
 海外ルーツの子どもたちと接し、学校での様子や日本人とのかかわりを観察する中で、彼らは決して助けを受けるだけの存在ではないということを学びました。異文化の中で、彼らなりの方法で周囲の日本人と学び合い、ともに生活している様子を見て、多文化共生社会実現の可能性が垣間見えたように感じました。また、調査期間中に彼らと多くの葛藤を一緒に乗り越え、成長を目にすることができた喜びは一生忘れません。
 フィールドを訪れ、人々と直接話しふれ合う中で、文献からは得られない多くの発見や学びがありました。社会人になってからも、この研究や学生生活のなかで学んだことを活かし、日々精進していきたいと思います。

* 中根千枝賞:本学出身の社会人類学者であり、日本における女性フィールドワーカーのパイオニアであった中根千枝氏を記念した賞。

関連する記事