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中根千枝賞受賞者

佐々木 恩愛(国際協力コース)

2023.05.10

2022年度 中根千枝賞受賞者

佐々木 恩愛(国際協力コース)

浜でエゴノリ採集をする住民への聞き取りのようす(2022年4月)

多文化・国際協力学科では、優れたフィールドワーク報告卒業論文を完成させた学生に、中根千枝賞*を授与しています。2022年度は以下の3名が表彰されました。

 佐々木 恩愛
「海藻の漂着がもたらす資源の利⽤形態の変化—新潟県出雲崎町における浜での海藻採集活動より」

 高橋 優歌
「支援策の利用に至らない野宿者—横浜市寿地区周辺の路上で暮らす人々の事例から」
原 花乃
「子どもが「親」に求めるもの—特別養子縁組当事者の語りから」

佐々木 恩愛さんの受賞のことば

 この度は、中根千枝賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。ともに活動してきたゼミ生や学科の仲間、ご指導してくださった先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。
 津田塾での4年間、当初思い描いていた大学生活や卒業研究は、コロナによって全く異なるものになりましたが、図らずともそのことが自らの足元を見つめ直すきっかけとなりました。ゼミで意見を交わしながら研究対象やその方向性を模索していた2、3年生の頃は、自分がどのようなことに興味があって、何をおもしろいと感じるのか、気の済むまで私自身と向き合う期間でもありました。卒業論文は、新潟県の郷土料理「えご」について研究することに決まると、地元でありながらほとんど触れてこなかった地域の食文化や歴史を知り、馴染みの地域で行ったフィールドワークでは新しい発見がたくさんありました。研究や論文の執筆を通して、「知っているつもり」だったフィールドや自分自身のこととしっかりと向き合うことができたと思います。
 また、離れていても、私の大学での活動を支え、喜んでくれる友人や家族の存在の大きさを改めて感じることができました。最後に受賞の報告ができてとても良かったです。
 大学4年間を振り返るたびに、女性フィールドワーカーのパイオニアであった中根千枝先生の名前を思い出し、進んでいく道の励みにしつつ、大学での出会い、フィールドでの出会いに感謝しながら、これから一層精進していきたいと思います。

* 中根千枝賞:本学出身の社会人類学者であり、日本における女性フィールドワーカーのパイオニアであった中根千枝氏を記念した賞。

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