多文化・国際協力学科学科発信メディア

中根千枝賞受賞者

藤元菜々子(国際協力コース)

2026.03.30

2025年度 中根千枝賞受賞者

藤元菜々子(国際協力コース)

多文化・国際協力学科では、優れたフィールドワーク報告卒業論文を完成させた学生に、中根千枝賞*を授与しています。
2025年度は以下の1名が表彰されました。

藤元菜々子
「旧東ドイツ・ハレ市における難民支援活動の実践−ボランティア活動が社会統合に果たす役割−」

藤元菜々子さんの受賞のことば

 この度は、中根千枝賞を授与していただき、誠にありがとうございます。
この場を借りて、調査にご協力くださったドイツの皆さま、ご指導いただいた近藤先生、三澤先生、そして日々支えてくださった周囲の皆さまに、心より御礼申し上げます。
 私は高校時代からドイツの難民問題に関心を持ち、フィールドワークを重視した学びに魅力を感じて本学科への進学を決意しました。大学三年時に初めてドイツへ渡航しましたが、当初は文献だけでは見えなかった社会の複雑さに戸惑い、自身の調査に十分な手応えを感じることができませんでした。再び現地に赴いた後もなお、自分の理解では捉えきれない状況に直面し、日々の中で生じる違和感や問いに向き合い続けていました。そうした中で、難民支援団体だと考えていた組織が、実は難民自身によって設立・運営されていることに気づき、支援する/されるという前提や、「難民」という言葉の意味を自ら問い直す契機を得ました。
 研究を始めた当初はフィールドワークに明確な答えを求めていましたが、現場に身を置く中で立ち現れる「わからない」に向き合い続けることにこそ、学びの本質があると気づきました。ドイツで出会ったボランティアスタッフや難民の方々と過ごした時間は、ともに言葉を交わし、互いに支え合ったかけがえのない経験です。
 フィールドワークを中心とした大学での学びは、今後の人生においても大きな支えとなると確信しています。支えてくださった方々やフィールドでの出会いに感謝しつつ、これからの道でも歩みを進めてまいります。

* 中根千枝賞:本学出身の社会人類学者であり、日本における女性フィールドワーカーのパイオニアであった中根千枝氏を記念した賞。

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